2016年度 日本保険薬局協会 NPhA薬剤師海外研修 参加報告

日程

2016年9月19日から9月26日(6泊8日)マネージャー職 1名参加

【 研修目的 】

アメリカ西海岸で経済の安定したオレゴン州ポートランドにある、 オレゴン州立大学薬学部と協力して実施する研修プログラム。米国の医療制度、 米国における薬剤師の役割、薬学教育といった内容を講義にて学ぶ。また、OSUの協力により、 様々な薬局の見学を行う。

【 研修内容 】

    1. ・OHSU(Oregon Health & Science University)、OSU(Oregon State University)にて講義
    2.    1) Overview of pharmacy education and pharmacy practice in the U.S
    3.    2) Pharmacist Role in Geriatric Care(高齢者医療における薬剤師の役割)
    4.    3) Pharmacist Role Collaborative Care(共同医療における薬剤師の役割)など
    5. ・OHSU Compounding Pharmacy 見学
    6. ・Kaiser Permanente Automated Refill Center 見学
    7. ・ARDON Specialty Pharmacy 見学
    8. ・Drug Store 見学
    9.     1) Walgreens 、2)CVS

感想

米国の医療事情は日本と大きく異なる。米国にはPhysician Assistant やPharmacy technicianなど、日本には存在しない職種が存在する。薬剤師がいわゆる「時間を割く」業務自体が、日本とは異なる印象を受けた。

メールオーダー薬局というのも存在する。患者と直接対面することなく電子的に処方箋応需が行われ、郵送・後日電話にて対応することができる薬局である。お互いの利便性を考慮したシステムである。

印象的であったのが、米国では「高額な薬剤」の処方については、患者の加入している「保険会社」による事前承認が必要となること。

高額な薬剤が処方される前に、保険会社から「もっと安価な治療方法・安価な治療薬を試すように」と指示されるなど、米国では保険会社の医療への介入による影響が大きい。 念頭にあるのが「如何に医療費を安く抑えるか」。保険会社は、後発品使用した場合の医療費分しか支払いをしない(つまり患者が先発を希望する場合は、上乗せ分は自己負担)。 そのため患者の後発品の使用率も高い。

その他には、米国では薬局で予防接種を実施しており、薬剤師が実施することが出来る点、共同治療計画を結べば、薬剤師の判断で薬用量の変更、中止等を行うことができる制度がある点などが印象的であった。

同じ薬剤師でも全く境遇が異なるため、非常に刺激を受けた研修でした。